「自転車泥棒」〜ネオリアリズモの歴史的名作
今日は 歴史的名作、「自転車泥棒」のレビューです。この作品は今でいうアカデミー賞外国語映画賞に当たる賞を受賞した歴史的名作映画です。
評価:3.5(普通の映画)
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公開:1948年(イタリア)
監督:ヴィットリオ・デ・シーカ
キャスト:ランベルト・マジョラーニ、他
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あらすじと時代背景
このお話は奥さんと息子と暮らす男が自転車を盗まれるお話。自転車は自転車でも、ただの自転車ではありません。映画の舞台は第二次世界大戦後のイタリア。恐慌に苦しむ主人公が見つけた広告貼りの仕事に自転車は欠かせませんでした。一家の生活がかかった自転車と憎き自転車泥棒を探しに、主人公と息子の犯人探しが始まります。
ネオリアレズモ
この作品はネオリアリズモと呼ばれる作品です。ネオリアリズモとは、当時のイタリア文学に見られた風潮です。そして、ネオリアリズモの映画は戦争から復興しようとするイタリア社会の現実をシビアに描いているのが特徴。本作でも、「仕事が見つからない」、「自転車が盗まれる」、「生活格差がある」など、リアリティのある不況の様子が描かれています。同じネオリアリズモの有名な映画といえば、「無防備都市」、「揺れる大地」、「戦火のかなた」などでしょうか。
余韻の残るラストシーンに考えさせられる
ストーリーはシンプルですが、「自転車泥棒は誰なのか?」、「自転車と犯人は見つかるのか?」というミステリー(?)の要素を含んだ展開には引き込まれます。そして、最後の最後は怒涛の展開!たまにはネタバレなしで書いていますが、主人公の鬼気迫る状況を客観的視点と緊張感のある音楽で見事に表現していました。
エンドロールを眺めながら、映画の余韻と人間にとって大切な何かについて、あれこれと考えさせられる映画です。